協力隊隊員は15年で90倍にー地域おこし協力隊過去最多8196人

国や行政の施策

地域おこし協力隊の隊員数が令和7年度に8,196人・1,187自治体で過去最多を更新。2009年度の89人から15年で90倍近くに増えた制度の推移と、拡大の裏にある課題を、総務省の公式データから考えてみます。

総務省が2026年4月24日に公表した最新の集計によると、地域おこし協力隊の隊員数は令和7年度に8,196人となり、過去最多を更新しました。実施自治体数も1,187団体で、受入が可能な自治体のうち約8割がすでにこの制度を使っている計算です。以前ブログで、任期を終えた隊員のその後(定住率・起業率)を書いたことがあります。今回は、隊員の数がどう増えたのかを振り返ってみます。

89人から始まった制度

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、生活の拠点を移した人を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱する制度です。地域ブランドや地場産品の開発・販売・PRといった地域おこしの支援、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図ることを目的としています。任期は概ね1年から3年で、自治体には隊員1人あたり上限400万円の特別交付税措置があります。

総務省の資料によると、制度が始まった平成21年度(2009年度)の隊員数は、わずか89人でした。

15年で、90倍近くに

開始からの増加を振り返ると、その速さがよく分かります。平成21年度89人→22年度257人→23年度413人→24年度617人→25年度978人→26年度1,511人→27年度2,625人→28年度3,978人→29年度4,830人→30年度5,359人。その後も、令和2年度5,503人→3年度5,560人→4年度6,015人→5年度6,447人→6年度7,910人と伸び続け、そして令和7年度に8,196人に達しています。平成21年度(2009年度)から、15年余りで約92倍という驚くべき数値です。

令和7年度の内訳

直近の令和7年度の実績を見ると、隊員数8,196人・実施自治体数1,187団体は、いずれも前年度(隊員数7,910人・1,176団体)からの増加で、隊員数は286人増、自治体数は11団体増です。受入が可能な自治体のうち、実際にこの制度を導入している割合は約81%となります。

地域別に見ると、北海道が1,374人と圧倒的に多く、次いで長野県477人、島根県386人、福島県351人、新潟県323人と続きます。性別の構成は男性59.7%・女性40.3%で、女性の比率は令和6年度の39.0%からわずかに上昇しました。年代は20〜29歳が33.6%、30〜39歳が30.1%を占め、20〜30代で6割強となります。制度としては若い世代が受け入れやすいものなのかと思います。

拡大のペースに、「定着」は追いつけるか

以前のブログでお伝えしたとおり、直近5年間(平成31年度〜令和5年度)に任期を終えた8,034人のうち、約7割にあたる5,539人が同じ地域またはその近隣地域に定住し、そのうち46.4%が起業、34.4%が就業という形でその地域に定着されています。この数値は、隊員数がまだ5,000〜6,000人台だった時期の実績です。

隊員数が8,000人を超え、なお増加していることを考えると、同じ水準の定住率・起業率を維持できるかどうかはもうしばらく確認しないと分かりません。制度が広がり、活動に加わる隊員が増えれば増えるほど、任期中・任期後を通じて一人ひとりの隊員の状況を客観的に把握し、必要な支援を続けることの重要性は増していくと思われます。呼び込む力(隊員数の拡大)と、根づかせる力(定住・起業支援)は、協力隊においても両輪で、非常に大切なことと感じます。

余談

北海道の隊員数(1,374人)は、2位の長野県(477人)の3倍近い数字です。広大な面積に条件的に不利な地域を抱える自治体が多いにも関わらず、なぜトップの数字なのか?この理由は総務省の公式資料にも明確な説明はなさそうでした。私としても機会があれば、道内の自治体の取り組みも調査し、ブログにしたいとおもいます。

もうひとつ余談

ちなみに、筆者は道内の酪農家の方や団体職員の方に新しいビジネスをスタートしたときに、非常にお世話になった経験があります。その経験が地方への移住・定着で何かお役に立ちたいと考えるきっかけになっていることは間違いありません。

出所

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