移住した人が、その地域に根づくかどうか。その手がかりが、地域おこし協力隊の“その後”に表れています。総務省の最新調査によると、任期を終えた隊員の定住率は約7割。そして定住した人の多くが、その土地で「仕事」を得ています。データが示すのは、定着を左右する強い要素の一つは「仕事」、というシンプルな事実でした。
任期後の定住率は、約7割
総務省が2025年4月に公表した令和6年度(2024年度)の調査によると、2019〜23年度に任期を終えた地域おこし協力隊員8,034人のうち、55.7%が活動していた同じ自治体に、13.2%が近隣の自治体に定住していました。合わせて約7割が、移り住んだ地域やその近くに定着しています。都市から地方への人の流れをつくる仕組みとして、大きな成果だと感じます。
定住した人の多くは、「仕事」を得ている
注目すべきは、定住した人が何をして暮らしているかです。同じ自治体に定住した人のなりわいは、起業が46.4%、就業が34.4%、就農・就林が11.7%。半数近くが自ら起業し、三分の一が地域の企業や団体に就職しています。起業の中身は、古民家カフェや農家レストランなどの飲食、デザイナーや写真・映像、宿泊業、小売など多彩です。就業先で最も多いのは、自治体職員や支援員といった行政関係でした。つまり定住は、「なんとなく気に入ったから残る」のではなく、「続けられる仕事があるから残る」ということではないでしょうか。
「仕事」がなければ、定着は続かない
この構図は、協力隊に限りません。以前ご紹介した「移住者が定着しない理由」でも、仕事と収入は強い一つの要因でした。地域にかかわる入口をつくり、移住してもらっても、仕事がなければ、人は離れます。逆に、続けたい仕事があれば、多少の不便は乗り越えられます。定着支援とは、突き詰めれば「その人が、その土地で、続けられる仕事と暮らしを見つけられるように支えること」とも考えられます。
求められる“定着の設計”
協力隊のデータは、移住者に定着してもらえるヒントでもあります。任期後に起業・就業へつながるよう、任期中から仕事づくりや人脈形成を支える。移住者が就ける仕事の受け皿を、地域の中に用意する。そして移住後も「仕事は続けられているか」「暮らしに困っていないか」を定期的に確かめる。呼び込む施策と根づかせる施策を両輪で設計することが、定住率を押し上げることだと考えることができそうです。
移住し起業された方や、地域の職場で働いている方の、いろいろな生の声をぜひ聞かせてください。もっともっと、地域を賑やかにしたい。もっともっと、日本を元気にしたいなぁ。
- 総務省「令和6年度における地域おこし協力隊の活動状況等」報道資料(2025年4月4日公表。任期後の定住状況等の調査結果を含む) https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei08_02000294.html
- 総務省「地域おこし協力隊」制度概要 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
- JOIN/ニッポン移住・交流ナビ「地域おこし協力隊 定住に向けた課題等アンケート」(2025年) https://www.iju-join.jp/join/research.html


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