移住フェア・相談会について 

移住・定着のヒント

移住フェアや相談会は、多くの自治体で長く続けられてきた取り組みです。この記事では個別の開催予定ではなく、全国の相談件数や開催形式の公的なデータを手がかりに、フェアという接点をその後の定着へどうつないでいくかを整理します。

開催日程をお探しの方は、開催情報の探し方をご覧ください。

移住相談は、いまどれくらい行われているのか

総務省が毎年度公表している「移住相談に関する調査結果」によると、令和5年度に全国の移住相談窓口等が受け付けた相談は 408,435件 でした。内訳は対面が329,776件、イベントが78,659件で、前年度からは38,103件(対面24,720件、イベント13,383件)増えています。

民間の窓口でも同じ方向の動きが見られます。東京・有楽町のふるさと回帰支援センターが公表した集計では、2025年の相談件数は 73,003件。前年の61,720件から18.3%増え、5年連続で過去最多を更新しています。

接点の総量そのものは、着実に増えている状況です。裏を返せば、相談を受ける機会が増えるほど、その一件一件をどう扱うかの重みも増していく、ということかもしれません。

開催形式は、対面・オンライン・ハイブリッドに分かれています

同センターが2025年に開催した移住セミナーは658回。形式の内訳は次のとおりでした。

  • 対面 288回(43.8%)
  • オンライン 245回(37.2%)
  • ハイブリッド 125回(19.0%)

オンラインとハイブリッドを合わせると半数を超えます。対面が中心だった時期とは、選択肢の構成そのものが変わってきていることがうかがえます。

形式によって、届く相手も、伝えられる情報も変わります。対面では暮らしの手触りや、その地域で働く人の人柄が伝わりやすい。一方オンラインは、遠方にお住まいの方や、平日の夜しか時間の取れない子育て世帯にも参加していただきやすい。どちらが優れているという話ではなく、その回で何を得たいかによって選び分ける対象になってきているように思います。

相談件数は、接点の量を映す指標

相談件数は、窓口やフェアにどれだけの関心が寄せられたかを映す、わかりやすい指標です。年度ごとに積み上がり、続けてきた取り組みが数字として表れる点に意味があります。全国で40万件、ふるさと回帰支援センターだけで7万件という規模は、それだけ多くの出会いが生まれているということでもあります。

事業会社の企画・マーケティングの視点では

私たちは行政の出身ではなく、事業会社で事業企画やマーケティングを担ってきました。行政の現場から考えると的外れなところはあるかと思いますが、畑が違うぶん、少し違った見方や見え方をすることがあります。移住フェアについて、私たちがつい気になってしまう点を2つだけ挙げてみます。

何を求めて来場されたのか、が気になる

民間の展示会や商談会では、1回目のご来場で決まることはほとんどありません。2回目、3回目はこちらからアプローチし、接点をつないでいきます。そのため「今回は何件だったか」は、その展示会の実力を測るROI指標として欠かせないものですが、そこで話が終わることはありません。それよりも、お越しになった方が「何を求めているのか」という点が、どうしても気になってしまいます。

移住の検討は、商品を選ぶよりもずっと時間のかかる決断です。どんな年代の方が、どんなご家族で、何に関心を持って足を運ばれたのか。件数そのものよりも、その内訳としての属性のほうに、つい目が向きます。

指標を、ひとつ先まで伸ばしたくなる

民間では、施策の評価を入口の数で止めることがあまりありません。問い合わせが何件あったかよりも、そのうち何件が次の段階へ進んだかを必ず確認します。段階ごとに人数をみると、どこで関心が細っていくのか、何が大切なのかが見えてくるからです。

ただ、事業会社と異なり、お客様(移住検討者)へ自分たちから個別にアプローチすることは、難しい面が多いかと思います。移住施策でいえば、相談の先に現地へお越しいただく機会があり、転入があり、転入後の継続居住があります。この一つひとつを把握して振り返ることができれば、どの段階に力を入れると効くのかが見えてくる。その積み重ねが、フェアにお越しになる方から見た自治体の姿を、少しずつ変えていくのかもしれません。

移住施策のKPIをどう設計するかについては、別の記事であらためて整理しています。

開催情報をお探しの方へ

本記事では、個別のフェア・相談会の開催予定は扱っておりません。日程や会場は変更されることも多いため、最新の情報は各主催団体・各自治体の公式ページでご確認いただくのが確実です。全国規模の情報源としては、次のようなものがあります。

出所

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