縁もゆかりもない土地へ、いきなり移り住む——移住の理想の裏で、この一歩の重さが、多くの人達を迷わせます。高知市発の「二段階移住」は、その一歩を“二歩”に分ける発想です。まず比較的都市部の高知市(県都)に住み、暮らしながら本当の移住先を見つける。ミスマッチによる早期離脱を防ぎ、定着の精度を上げる方法として面白い取り組みだと思います。愛ある移住のかたち。なんかわかるような気がします。
「二段階移住」とは──一歩を、二歩に分ける
「こうち二段階移住」は、移住希望者にまず比較的都市機能の揃う高知市へ移住・滞在してもらい(1ステップ)、そのうえで県内の市町村へ移住してもらう(2ステップ)という、移住の一つの方法です。高知市を含む高知県内の34市町村(れんけいこうち広域都市圏)が、2018年度から提案されています。いきなり中山間へ、ではなく、いったん高知市(県都)を拠点にする——ここが最大の特徴です。
なぜ「二段階」なのか──ミスマッチを防ぐ
都会から人口数千〜数万人規模の地域へ一足飛びに移ると、暮らしのギャップに戸惑い、「こんなはずじゃなかった」となりがちです。二段階移住は、まず県都で暮らしを整えながら、時間をかけて県内各地を巡り、自分に合う町をゆっくり選べます。結果として、地方での暮らしのハードルが下がって潜在的な移住希望者を掘り起こし、移住後のミスマッチ=早期離脱を防ぐことが期待されます。これは、定着を左右する“入口の設計”そのものです。
仕組みを支える具体策
高知市は、二段階移住を考える人に、一段階目となる高知市でのお試し移住費用(家賃・初期費用・引越しの荷物運搬料)を最大22万円補助しています。あわせて、県内の移住相談窓口を巡る際のレンタカー代を最大2万円補助。利用者は「すてっぷ移住パスポート」を手に、高知市以外の県内市町村の移住相談窓口を3か所以上巡ります。県都・高知市が“1段階目の受け皿”となり、県全体で移住者を迎える、県全体での取り組みです。
これからの“地域の未来”の描き方
二段階移住が教えてくれるのは、「呼ぶ(移住)」から「根づく(定着)」までを、点ではなく一本の線、そして面へ広げていく、そんな設計のようです。県都という受け皿で暮らしを整え、時間をかけてミスマッチを減らし、最終的な移住先での定着につなげる。呼び込む力と、根づかせる伴走は両輪です。二段階目に移り住んだあとも、暮らしの声を拾い続ける仕組みを重ねることが、“その先”の定着を支えます。移住後の伴走を自治体だけで抱え込まず、外部の専門的な支えと組むことも、現実的な選択肢になりそうです。二段階目以降では、私たちがお役に立てそうです。
高知県の県庁所在地で、県内でも都市機能が集まる県都。県内移住の“玄関口”の役割を担っています。
- 高知市「こうち二段階移住」特設サイト https://www.city.kochi.kochi.jp/deeps/01/010999/renkei-nidankaiiju/
- 高知市 移住・定住促進課「こうち二段階移住」 https://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/117/kochinidankaiiju.html
- 高知市「二段階移住の補助について」(お試し移住費用・レンタカー補助の内容) https://www.city.kochi.kochi.jp/deeps/01/010999/renkei-nidankaiiju/about/
- (参考)高知県移住ポータル「高知家で暮らす」 https://kochi-iju.jp/


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