移住施策の成果は、移住者が「来た数」ではなく「地域に残った数」で決まります。ところが、相談対応から移住後のフォローまでを職員だけで担うのは負担が大きく、移住“後”の支援は手薄になりがちです。
移住者の定着に成果を上げている自治体は、「移住相談から移住後の支援までを一貫して担う“受け皿”」を持っているところが少なくありません。内閣府の優良事例集から、まずその形を確認します。
成功事例に共通する「移住後まで担う受け皿」
宮城県七ヶ宿町は、移住相談窓口を町出資の会社に委託し、暮らしガイドの整備、移住後アンケートに基づくフォロー、住民との交流会など、移住“後”のギャップ解消まで踏み込んでいるのが特徴です。町は「相談件数」「移住者数」の目標を掲げてKPIで管理しており、令和3年度の移住者数は43名(うち30名程度は子育て世代)と、目標値を上回る成果を出しています。
大分県日田市は、移住前の相談から移住後の仕事・住まいのサポート、定住支援までを地域のNPO法人に一括委託しています。ただし「任せきり」にはせず、毎月の定例会や情報共有で行政と“伴走”しているのが要点です。結果として、県外からの移住者数は平成28年度から6年連続で大分県内第1位となりました。
両者に共通するのは、次の3点です。
- 移住相談から移住後までを、一連の流れとして設計している
- その実務を担う受け皿があり、行政が丸投げせず伴走している
- 移住後アンケートや地域カルテなど、移住者の状況を見える化する仕組みを持っている
移住後まで支援が続く体制こそが、定着を左右していると考えられます。
課題は「受け皿が地元にない」自治体が多いこと
ただし、これらの事例には前提があります。町出資の会社や有力な地元NPOという“受け皿”が、もともと地域に存在したことです。
現実には、こうした団体が地元にない自治体のほうが多数派ではないでしょうか。担い手を一から育てるには時間がかかり、その間も移住者の定着という課題は待ってくれません。「来てもらうための対応だけでも大変なのに、移住後の支援まで手が回らない」——これが、多くの自治体が抱える実情ではないでしょうか。
受け皿がない自治体の選択肢:外部の専門パートナーに委ね、伴走する
受け皿が地元にない場合の現実的な選択肢が、外部の専門パートナーに委ね、行政が伴走することです。
地元に団体がなくても、移住相談・移住後のフォロー・満足度の把握までを外部が担い、行政が定例会などで伴走してチェックすれば、成功事例と同じ「移住後まで続く体制」をつくり、PDCAを回すことができます。地元の受け皿の有無による差を、外部委託によって埋めるという考え方です。
Tss株式会社(テイチャク)は、受け皿がない、あるいは受け皿をつくる時間がない自治体に代わって、移住・定着支援の実務を担う外部パートナーです。移住相談から移住後のフォロー、そして移住者の満足度や定着状況の見える化まで、自治体・行政と伴走しながら支援します。
なお、外部に委ねる際に重要になるのが、「支援の成果を数字で把握できるか」という視点です。この“定着の見える化”については、次回の記事で詳しくお伝えします。
出所:内閣府 地方創生推進室「令和4年度 移住・定住施策 優良事例集(第2弾)」 https://www.chisou.go.jp/sousei/pdf/ijyu-jirei-2.pdf


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